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バイヤーイネーブルメントとBtoBにおけるこれからの営業の在りかた

ミレニアル世代(1989年~1995年に生まれ、2000年以降に成人した人たち)が会社で管理職や決裁権を持つ時代になっています。ミレニアル世代はインターネット環境が整ったころに育った最初の世代で、情報収集の特徴として、新聞や広告、パソコン等に比べスマートフォンやタブレット、TwitterやFacebookなどの主にSNSを駆使するという傾向にあります。Google社の調査では、BtoBでは半数以上の顧客がミレニアル世代ということも明らかになっています。また、それ以上にデジタルスキルの高いZ世代(1996年~2012年頃に誕生した人たち)が大きな購買力を発揮するようになっており、2020年までには最大の消費者になるという統計調査も出ています。

このような時代になっても、従来の営業組織、営業戦略のままという企業も多いのではないでしょうか。今回は、そんな現代で注目されている「バイヤーイネーブルメント」について紹介します。


バイヤーイネーブルメントとは

バイヤーイネーブルメントとは、「顧客が購買活動において、スムーズでより良い意思決定ができるように支援する」という概念で、オンラインツールを駆使する決裁者、購買担当者が、営業担当者に頼らないような購買方法にシフトチェンジした背景から誕生した概念です。手法として、一つに決裁者、購買担当者がより良い購買体験が出来るようオンラインツールを通じて情報を提供する方法があります。

実際、米調査会社のForrester社により以下のような調査結果が出ています。


・68%のBtoB購買担当者が、自分1人でオンライン上で情報収集することを望んでいる

・67%のBtoB購買担当者が、第一の情報源として営業担当者とのコミュニケーションを選ばない

・62%のBtoB購買担当者が、デジタルコンテンツだけで解決策の評価基準や、仕入先リストを完成できると回答

これらの結果から分かることは、「購買担当者は営業担当者に頼らずWeb上のデジタルコンテンツを駆使して購買活動を進めようとしている」ということです。つまり、Web上で購買に役立つ情報提供をするバイヤーイネーブルメントは効果を期待できると言えるでしょう。

バイヤーイネーブルメントの効果は本当に期待できるのか

別の調査会社Gartner社による調査では以下のような調査結果が出ています。


・77%のBtoB購買担当者が「直近の購買活動が複雑/困難だった」と回答

・購買チームで購買タスクがやり直し/再検討となる割合

①    課題の特定…76%

②    解決策の探索…79%

③    要求仕様の具体化…80%

④    サプライヤーの選定…79%

購買担当者は、営業担当者に頼らずWeb上でのデジタルコンテンツを駆使して購買活動を進めようとする一方で、実際の購買活動は難しいと感じているようです。Web上での情報提供で購買活動は本当に上手くいくのでしょうか。

先ほどのGartner社の調査によると、サプライヤーから提供された情報が購買活動を進めるうえで役に立ったと感じた顧客では、購買が容易になったと感じる割合が2.8倍となり、後悔することなく大型の取引を実現できる割合が3倍になるという結果が出ています。つまり、バイヤーイネーブルメントによって購買の量が増えるとともに、その質(満足度)は高まるということになります。顧客の購買担当者にとってバイヤーイネーブルメントは価値を感じてもらえると言えるでしょう。

バイヤーイネーブルメントを導入したサービスの例

1.Webサイトの診断ボックス

例えば、SFAを商材として販売するX社がWeb解析ツールを用いてある顧客が自社のWebサイトの商品ページを複数に渡り閲覧していることを分析したとします。X社は、そのページに診断ボックスを設け、顧客がいくつかの項目を選択することによって、その顧客のニーズに合ったSFAが診断されるような仕組みを作りました。顧客がその診断ボックスに従って、結果として出てきたSFAを購入した場合、バイヤーイネーブルメントは成功したといえます。

2.機能の一部を公開

例えば、デジタルコンテンツを商材として扱うY社が、自社の商材に興味を持っている見込み顧客を分析し、それらの顧客に向けて自社商品のサービスの一部を無料公開したとします。無料公開されたサービスを利用した見込み顧客が商品を購入した場合、バイヤーイネーブルメントは成功したと言えます。

3.導入事例

例えば、SFAを商材として販売するZ社が、Web解析ツールを活用し、見込み顧客が自社で抱えているであろう課題を分析した結果、顧客情報の一元化が出来ていないことが共通の課題であることが分かりました。そこでZ社は、自社のホームページ上にその共通の課題を解決した例として、導入事例を掲載しました。見込み顧客がその導入事例を見た上で、Z社のSFAを購入した場合、バイヤーイネーブルメントは成功したといえます。

今後のBtoB営業における購買戦術の在り方

営業は、もうセールスパーソンが案件を獲得するまでのプロセスを全て1人で担うものではなくなりつつあります。顧客が営業に頼らず、デジタルコンテンツを駆使して商品を購入する時代で、セールスパーソンだけでなくWebページを一つのツールとして活用することは今後必須になるでしょう。SFAやCRM、MAなどの各種ツールが新たな施策として営業現場に導入されていますが、従来の営業方法のやり方を変えるだけでは正直不十分だと思います。例えば、顧客がセールスパーソンに情報を与えても、そのセールスパーソンがなかなかコンタクトを取らず、Web上に顧客にとって有意義な情報を公開しないのでは、意味がないどころか顧客の購買活動を阻害することにもなりかねません。バイヤーイネーブルメントととはどういう概念なのかを、このコンテンツやあらゆる情報から明確にし、貴社の営業活動の可能性を広げるためにも導入を検討してみてはいかがでしょうか。

川西佑奈
川西佑奈

幼いころから異文化に興味を持ち、高校からニュージーランドへ留学。Logan Park High Schoolを卒業後も語学力向上の為、ジャカルタのインターナショナルスクールに入学。 帰国後は関西大学に入学し、学生の頃からインターンとしてSurpassの業務に携わる。現在はSurpassのマーケティング担当として、新規事業の立ち上げを支援する傍ら、翻訳も担当している。

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