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SFA/CRMベンダーを経験した者だからこその5つの気づきと反省点

営業強化や顧客関係強化のために便利なのが、SFAやCRMのツールです。ツールを導入する際に頼りになるのが、SFA/CRMベンダーやコンサルティング会社です。ところが、皆さんがお付き合いされるSFA/CRMベンダーは、下記のような傾向はありませんか? SFA/CRMベンダーに長年携わってきた経験者だからこその気づきや反省点を5つにまとめました。

■気づき/反省点その1:実はベンダーには事業会社での営業/マーケティング経験者が乏しい?  

プロダクトマネージャーがITに知見を持っているものの、システムを使う側の経験及び体験が少ないケースがあります。これは、プロダクト開発者だけに言えることではなく、SFA/CRMベンダーに属している営業やコンサルタントにも通じて言えることです。SFA/CRMベンダーに従事する者は、事業会社での営業/マーケティング経験者が意外と少ないため、事業会社でバリバリ活躍されてるマーケッターと渡り合うことが難しいケースがあります。少なくとも営業/マーケティングに明るいのかどうか過去の実績など含めて確認されてみるのがよいでしょう。

■気づき/反省点その2:オペレーション教育は、プロダクトが使いづらいから用意されている?

オペレーション教育と題する有償サービスを受けるケースが多いですが、プロダクトを直感的に利用できるのであれば、実は必要ないかもしれません。ベンダーは、利用されない機能を思い切ってディスコンできないのでオペレーション教育内容が膨らんでしまいます。

■気づき/反省点その3:責任の所在はどこ?                        

SFAは導入当初の旗振り役が人事異動で離れると急に利用されなくなるケースがあります。そして利用されなくなったSFAは、やがてなぜ導入するに至ったのか目的すらわからなくなり屍が増えていくのです。そうなると責任の所在が求められる訳です。

■気づき/反省点その4:他責にしやすい環境?                        

責任不在の延長上に出てくる最もややこしい問題は、SFAの提供者と利用者(担い手)が異なるので、使われなくなったり当初の期待値が目標達成に至らない場合、それぞれの責任として擦り合う状況が発生します。それぞれの作業分界点と責任分界点を設ければ解決するような話ではなく、ともにワンチームで取り組むアプローチが当初より必要となります。それがなされていない場合、このような悲劇を生む可能性が高くなります。

■気づき/反省点その5:マネージメントのためだけのシステムになっている?          

企業上層部を満足させるだけで、実際の営業担当者のニーズを全く無視していることに気づいていない場合がこのようなケースになります。営業担当者としてはSFAを利用することで、業務に役立て成果を上げることができたり、時間短縮につなげることができるのかを重視しますが、SFAを利用することで逆に新たに多くの時間を要することになったりするケースが散見されます。一方で、マネージメントの立場からは、データ入力がされない限り、SFAから必要とするデータを取り出すことができないのでデータ入力を現場に圧力をかけることになります。

■終わりに                                        

上記5つの気づきや反省点を述べてきましたが、最後にもう一つ大切な気づきと反省点を追加します。

ベンダー側が利用者の立場となってサポートすることももちろん大切ですが、プロダクトを使い倒さずにいる環境を両社が黙認してしまっているケースがいかに多いのか、という点です。SFAベンダーは、ある意味、営業のコンサルティングという立場に近しいポジショニングにいるのかもしれません。営業戦略、戦術についてドキュメントやシステム、オペレーション教育までは実施するものの実働に関しては、介入してこないケースが殆どです。ここが、様々な失敗事例を生み出す理由の根源と考えられます。そのためには、ベンダーはもう一歩、利用者に踏み込んだサービス提供やコミットメントが必要とする時代が、もうそこまで来てます。運用型広告サービスがあるようにSFAを利用する上で運用型営業サービスと題した新たなサービスが生まれるかもしれません。


秋山真咲
秋山真咲

「NEC情報サービス(株):現NECネクサソリューションズ(株)、ソフトブレーン(株)、Sansan(株)、シナジーマーケティング(株)を経て、Surpassの取締役副社長COO兼CTOとして就任。ASP事業の立ち上げの後、SFA/CRM分野においては15年以上の知見をもとに数々の企業の課題解決に貢献。 これまでの経験と知見をベースにSurpassの組織力向上と新規事業への参入を推進中。 メイド・イン・ジャパン・ソフトウェアコンソーシアム(MIJS)の理事やASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム(ASPIC)委員も歴任。」

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